リーダーの現場力 ~戦略よりロジックより大切なものがある~
今夜は、アカデミーヒルズで行われた
「『リーダーの現場力』出版記念セミナー 」に伺い、
ミスターミニットの代表取締役社長 迫俊亮さんと
ローランド・ベルガー日本法人会長 遠藤功さんのお話を聞きました。
所属している組織においても、またお客様と接する中でも、
いかに個々の「現場力」をうまく引き出し、大きな力に変えていくかは個人的に今、最も興味のあることです。
「現場力」。この言葉の力に突き動かされ、
まだ本を読んでいないのに、行かずにはいられませんでした。
若きエリート社長でありながら、
現場とのコミュニケーションを密に取り、
仲間とともに汗をかきながら業績を回復した迫さんと、
非常にわかりやすく、シンプルに本質を解説される遠藤さんのお話を聞くのは、
昔、アパレル店長として現場で働き、
そして今、現場力を活かせていないいろいろな職場を
管理職レイヤーで見ている私にとって、
いろんな視座で「現場力」について考えるとてもよい機会でした。
今日のお話の中で、私が面白いと思ったのは、こんな内容です。
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・経営者やマネージャーは、自意識をグッとこらえて社員がやりたいことを実現していくことが重要。
・現場力に意識が向いていなかったときは、自分に意識が向きすぎていた。でも、今は「この会社をいい会社にしたい」という意識でやっている。極端な話、「自分は成長しなくてもいい」というくらいになっている。
・戦略も重要だけど所詮仮説。実行しないと意味はない。実行が大切だからこそ、実行をしてくれる現場が大切。
・業績のいい会社は「戦略1割、実行9割」になっている。
・リーダーは(まわりからの)期待値をあげるとロクなことがない。私はこんなことができない、とさらけ出しておくくらいでよい。
・人事は経営の最大のメッセージ。現場を重視していることを分かる人事にしていかなければならない。そのためには、ちゃんと見ておかなければならない。
・現場とコミュニケーションを行うために、とりあえず会議体だけ入れても意味はない。形式的なものでは対話は生まれない。どんな状況だと、皆がコミュニケーションしやすいかという「環境」を設計することが何より重要。
・現場には語りたいストーリーが山ほどある。自慢話がたくさんある。なのに、誰も聞いてくれなければ現場力は発揮されない。
・現場の最大の敵は「無関心」
・近づいていって、相手から「引き出して」、ほめること。
・完全な人間には人は惹かれない。なのに、リーダーになる人間は完全性を求めがち。完全性を求めるから、他人を信頼しなくなる。
・評価制度などは、メッセージや環境を変えてから、変えていくべきもの。
・会社のらしさとは、「社員のプライドややりがいの置き所」×「お客様ニーズ」×「時代」の重なり合うところから生まれる。そこを会社のビジョンとして設定すべき。
・成長性や収益性だけでやるべきことを決めてはならない。「適社性」の検討が最も大切。
・ある特定の種類のヒーローやスターしか生まれない組織はダメ。いろんなキャリアパスや活躍があってよい。
迫さんにサインいただいた本、これから読みます!